モノクローム ストーリー

ラカンに掲載される白井スタジオのコマーシャル家族写真《第1回》は、
長い歴史を重ねた木造校舎が建て替えられる東陽中学校が舞台です。
この話はほとんど実際にあった情景。
息子の名誉のために付け加えれば、彼はそれほどふてくされた顔はしていませんが、
この年頃の男の子にとって、人前で母親と写真を撮るのなんてイヤだったのでしょう。
でもこの時の写真は私にとって一番のお気に入りで大切な宝物になりました。

カメラマンの白井健太郎氏はこの中学校の卒業生ではありません。
ですから何度も足を運んで、いろんな角度からファインダーを通してみつめ、
彼なりの『思い出がいっぱい詰まった消えゆく木造校舎』を探しあてたようでした。

1年間『写真』にまつわるストーリーを連載していきたいと思います。
気にとめて見て頂けたら幸いに存じます。

                  2007年4月  山田 生 (文)